青色っぽい春の夢を見ている

アイドルファンをやっている女子大生が思ったことを書きます。夢町と名乗ってました。

岡田担ではないジャニオタ的視点で見る岡田准一というアイドル


 先日、同じクラスの岡田担の子に「オカダのはなし」(岡田准一著)を貸してもらい、読みました。

 

オカダのはなし

オカダのはなし

 

  

 岡田くんに対して常々やや興味があったので、彼自身が綴る文章の詰まった本を目の前にして、それを手に取らないという選択肢はありませんでした。

 

 

 くっきりした二重まぶたの上に寄り添う凛とした眉。黒色の瞳は深く且つ透き通っている。彫りの深さを構成する端麗な鼻に、きゅっと結ぶと勇ましく、ほろっと笑うと甘い口元。どの角度から見てもそれを“芸術的”と形容したくなる、整った顔立ち。彼の顔はまるで彫刻のようだ、と無意識に口に出してしまう。

 

 

 私が岡田准一をきちんと意識したのは、連続ドラマ「SP」でした。それより前から、バラエティ番組「学校へ行こう!」で彼の存在は認知していたし、うっすらと記憶はあるのですが、私の今現在の記憶でいうと、きちんと“岡田准一”を意識したのはこれが最初だっただろうと思います。


 「SP」は私を始めとして全国の茶の間を沸かせました。それは岡田くんを始めとするキャスト陣の演技、演出、アクションシーン、脚本など多くの魅力的な要素が詰まっていたからでしょうが、やはり主役・井上薫役に岡田准一が抜擢されたことが要因として大きいと思います。


 彼のアクションシーンは幼心ながらかっこよくて、そう、もう本当に「かっこいい」という形容詞がぴったりと当てはまる、そんな感想でした。勿論今見たって、とてつもなくかっこいい。輝いていてスタイリッシュでめっちゃかっこいい。なにこれ最高にかっこいい。彼は「SP」をきっかけにして、様々な格闘技に触れることとなりそれを極め、ジャニーズ、いや芸能界トップクラスのアクションが出来る俳優という枠に位置づけられます。さらに「アクションなら岡田」、そういうイメージを定着させます。格闘技の師範免許までとるなんてストイックすぎる、そんな真面目で真剣な部分が人間としても評価されるべき人です。

 

 

 岡田准一のかっこよさに沸いているのは、女性だけではありません。
 あるとき、まったくジャニーズなど興味の無いような同級生の男子に唐突に「岡准ってかっけえよな」と言われたことがあります。そのとき私はびっくりしたのと同時にホッと安心するような心境でもありました。どんなにかっこよくても、どんなに才能があっても、ジャニーズというだけで敬遠されがちだからです。その男子に詳しく問うと、「SP」や「永遠の0」を観て彼に惹かれたらしく、まさに“男さえも魅了する男”として君臨している存在なのだと改めて実感しました。私の父もそういえば「岡准はかっけえ」と口にしていた気がします。性別、世代すら問わないかっこよさが彼にはあるのです。

 

 

 現段階で彼の作品として一般認知度が高い三大作品は、「SP」「永遠の0」「軍師官兵衛」かなと思いますが、それらはまさしく“クールな岡田”が観られる作品です。アイドル中の彼は、──潜在的なものだろうと思いますが──きらきらさや存在感が出る。しかし、芝居中の彼はそのきらきらさや存在感を無にしたり最大限に発揮したりして操ることができる。その具合が職人的だと、どの仕事をやっている岡田くんを観ても唸ってしまうのです。

 

 

 ところが彼は「木更津キャッツアイ」や「タイガー&ドラゴン」といったクドカン作品*1にも配役されています。それは彼がただかっこいいだけでなく、多様なジャンルの芝居ができるオールマイティさも強調していると感じます。オールマイティという点で言うと、彼は声優業もこなしています。ラジオもこなします。連載で文章も書いていました。ピアノも弾けます。どこまでも果てしない魅力の数々に、思わず足を止めたくなります。

 

 

 有川浩原作の同名小説を映画化した「図書館戦争」は、アクション要素も強いのですが恋愛要素も強いのです。寧ろメインでしょうか。故に岡田ファンでなくても、この作品で岡田くん演じる堂上教官にときめいた女性は少なくありません。周囲にもたくさんいますし、私もその一人です。しかし実は、恋愛系の作品出演は控えたいというようなことを、雑誌ananの連載*2で本人が語っています。私は彼がその姿勢をとっていることは知らず、「かっこいいんだから恋愛系をもっとやってほしい」という欲求と期待は打ち砕かれました。残念な気もするけれど、彼のやりたい仕事の方向性はわかりやすく、ファンは応援しやすそうかなと思います。

 

 

 彼の演技は多くの観客に認められ、先日、日本アカデミー賞にて、最優秀助演男優賞(映画『蜩ノ記』)と最優秀主演男優賞(同『永遠の0』)でW受賞を果たしたことは有名かと思います。

 ジャニーズだからある程度仕事はもらえる、けれどある一定以上の評価はされない。このことを彼はこれまで幾度と無く実感し、それはしょうがないのだと噛み締めてきたのではないかと思います。しかしやっと彼への長年の評価が形になりました。目を潤ませ、声を震わせながら、本心のコメントを舞台上で語る彼に、多くの人が「おめでとう」と声をかけたくなったのではないでしょうか。

 

 

 そんな岡田くん、次は山に登ります。岡田准一作品としては最新となる、先日製作が発表された映画「エヴェレスト 神々の山嶺」。彼自身に、世間を魅了し、日本アカデミー最優秀主演男優賞まで獲得した「永遠の0」を超えなければならないというプレッシャーは確実にあるだろうし、世間もそれを望んでいるだろうから、この作品がどのような作品になりどのような評価を受けることになるか想像がつきません。ただ、岡田ファンとしても映画ファンとしても非常に楽しみです。イモトですら成し遂げられなかったエベレスト登頂に、本職アイドルのストイック男が挑むなんて、そのストーリー自体が興味深すぎます。
 そういえば「オカダのはなし」を貸してくれた岡田担の友人、「岡田くんがネパールに滞在するなんて…。日本にいないなんて…(泣)」と涙目で嘆いていたけれど大丈夫かな。岡田担のみなさん、頑張って生きてね。

  

 

 V6における彼の立ち位置は、“V6の顔であり、剛健を見守る最年少”という認識(これはV6担になったことがない超にわか的なジャニオタのイメージだと思うので、異論は認めます)です。歌がうまく、歌唱部門安定担当というイメージもあります。確かに聴いていても、カミセン(岡田准一森田剛三宅健のユニット名)でいうと、剛健の歌声ははっきり分かるけど・・・、あっ、この支えになってるのが岡田くんか!となるときがあります。V6のグループ曲では私はまだ彼の歌声を完全に判別できず、V6の曲で聴き分けようとすると、イノッチと間違えることもあるのですが、ソロ曲ではその甘い歌声を堪能する事が出来ます。グループでは目立つ歌声の持ち主はありがたく重宝されますが、支えとなる安定力のある歌声の持ち主もしかりです。ちなみに、そのポジションの歌がうまい岡田くんと、ほぼ同期の嵐・大野智くんのコラボ、私は諦めてません。大野くんはジャニーズきっての歌唱力の持ち主です。これ観たいの私だけじゃないと思います。FNS歌謡祭さんあたりでやってくれないかと切に願ってます。

 

 

 話は変わって、意外な感じがするのは、「岡田くんは根暗」という点です。本人や近辺人物の語る岡田准一根暗エピソードは多々あって、検索すればでてくるので割愛します。
 岡田くん、あんなにかっこいいのに根暗なの?と最初は驚きました。でも確かにアクティブに走り回るイメージより、静かに本を読んでいるほうが似合うな、という印象。それは本人も言われるらしく、格闘技を極めるストイックさと合わせて、少し寡黙なイメージにつながりがちです。谷崎潤一郎とか永井荷風とか普通に読んでそう。想像したら絵になりすぎますね。カフェでブラックコーヒー飲みながら読んでそう。
 

 ちなみに「軍師官兵衛」では、高校時代からの親友であるらしい高橋一生さんと共演をしています。そもそも高橋さんも好きだったので、彼らが親友であるなんて嬉しい。岡田くんは仲良い後輩として、福士蒼汰くん、生田斗真くん、染谷将太くん、松坂桃李くんらをあげています。なにその面子、すげえいい。しかもやっぱりみんなインドアっぽい。
 


 でも彼、結構な変態チックです。「レッドシアター」にゲスト出演したときには、並々ならぬ変態臭を見せ付けました。しかし、それはもはや親しみやすさとか愛嬌とかの類として受け止めます。だって岡准だもの。その辺はがっつり贔屓します。


 

 そんなこんなで、彼に関してはまだまだ言葉が出てくるのですが、ひとつひとつ書き出していると、岡田担でもないのに何言ってんだコイツと反感を買いそうなので止めておきます(気づけば3400字も書いていましたね・・・)。
 実はまだ「天地明察」「蜩ノ記」は未視聴なのでさっさと観たい。それも観てねえのに岡田准一語ったのかコイツと自分でも思ってます。さっさと観ます。すいません。ほんとすいません。

 

 あくまでも、一般ジャニオタの視点での岡田准一くんのイメージでした。

*1:宮藤官九郎脚本の作品を総称でこう呼ぶ。ギャグが交えてあり観やすく面白いのでクドカン作品ファンは多い。

*2:「オカダのはなし」はこの連載をまとめたものなので、同文が掲載されています。