AKBの総選挙は、単なる「人気投票」ではないんです。
第9回AKB48選抜総選挙が終わってあっという間に2日経ちました。
この2日間で、私が48オタクだと知っている友人から、「総選挙みたよ~~」という報告がたくさん来ました。それはとてもうれしかったのですが、同時に「指原とまゆゆしかわかんなかったけどね」とも言われてしまいました。
やっぱり、世間からすると、AKB=前田敦子、大島優子、渡辺麻友、指原莉乃、髙橋みなみ、小嶋陽菜、柏木由紀、篠田麻里子、板野友美、山本彩、島崎遥香、峯岸みなみ、大家志津香、松井玲奈あたりまでが老若男女からの知名度が高いと言えるボーダーだと思います。
2年連続総選挙で3位の松井珠理奈、4位の宮脇咲良でさえ、知名度は低いと思われます。
地上波に一定時間映ることが出来ることで、「この人誰?」と思ってもらえる機会が得られるという話を前記事でちょこっとしました。
要するに、AKBの総選挙は、単なる「人気投票」ではないんです。
単なる人気投票であれば、1人1票を誰でも無料で投じることのできた、紅白選抜のような結果が生まれ、単純な「この子知ってる」「この子かわいい」が最強という図式が具体化されます。紅白選抜の方式は、アイドル本人の力が数値化されるといってもいいと思います。
AKB48“紅白選抜”全順位発表<1位~48位/全メンバー最終獲得票数> - モデルプレス
しかし、総選挙は、アイドル本人の力はもちろんですが、それに加え、オタクの力が試されているのです。どのくらい本人がオタクにお金を使わせる力を持っていて、どのくらい本気になって投資してくれるオタクがいるか、という戦いになります。「この子を救ってあげたい」「この子を押し上げてやりたい」「この子のメンツを潰したくない」が最強という図式です。
例えば、指原莉乃ちゃんの得票数は圧倒的で、あの数字はどこへ持って行っても武器になると思いますし、あの数字は認めざるを得ないと思います。莉乃ちゃんのファンがその武器となるものを作りたいと思っていて、それは莉乃ちゃんがツイッターで「頭おかしい」と言ってしまうくらいの熱量なんだと私は感じています。
だから、紅白選抜で1万票という大差をつけて山本彩が指原莉乃に勝利するという現象や、紅白選抜では50位だった惣田紗莉渚が、総選挙では8位になるという現象、紅白選抜では11位だった大家志津香が、総選挙では圏外という現象、村内では人気が低くても若い層に対しての外発信の上手い吉田朱里が紅白選抜では6位に食い込むという現象が起きます。
これは、もしジャニーズJrがAKBのような方式の総選挙をしたとして、単純に1位京本大我、2位森本慎太郎、3位西畑大吾というような結果が出るか?ということです。この場合、オタクの母数と知名度は彼らに劣るけれども、ファン層が高い(=出せる金額が高い)と言われているふぉ~ゆ~やSnowMan、あるいは村内でかなり人気と思われる平野紫耀くんあたりが強いと考えるんじゃないかなと思います(あくまで個人的解釈です)。
もちろん、ドブ板と呼ばれるような、挨拶回りを地道に行うという真面目な頑張り方をしているメンバーもいます。推しに80位内に呼ばれるほどの票数をそもそも期待できないのを理由に、期待できそうなメンバーに票を流すオタクもいます。自分自身や家族が大量に投じるメンバーもいます。それに、一般の方やライトなファンはご存じないような、各所属事務所やレコード会社の組織票も存在すると言われています。運営票については触れないでおきますが。
そういう色々な事情が交錯して、あの総選挙の結果が出来ているのです。
「さっしーVSまゆゆ」という構図はキャッチーなので今回総選挙を広告するにあたってめちゃくちゃ前面に推されていましたが、そのバトルには数字には見えないストーリーがあることを知ってもらいたい。総選挙は「人気ランキング」とは別物と言ってもいいくらい独特なものであることを知ってもらいたい。「なんでこんな知らない子が上位なの?」には理由があることを知ってもらいたい。
別に何のためでもないけれど、あれを人気ランキングだと誤解している人がたくさんいそうなので、私も出戻りのライトファンの身ではありますが書いてみました…。
もし興味があったら、今後ともAKB48のことを覗いてみてください。